エコロードへの取り組み:やんばるロードネット_北部国道事務所
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カニさんトンネル

 

【オカガニ・イワガニとは】

 モクマオウやオオハマボウといった木が生えている防風林の下や、マングローブ林の周辺などに巣穴を掘って生活している、沖縄に住んでいるカニの中では大型のカニです。子供は「ゾエア」と呼ばれ、全く別の姿をしており、海の中を浮遊しながら成長します。何度か脱皮を繰り返していくうちに、しだいに形を変え、親と同じ形にまで成長すると陸に上がってきます。ここまで無事に成長したものが、陸地で暮らしているというわけです。

 そして、5月下旬から10月の産卵時期の満月の日(前後3日ほど)の夜、ふ化直前の卵をたくさん抱え(約20〜30万個)、海に向かいます。こども達を海に放すためです。

 ところが、やんばるの海岸はぐるりと道路に囲まれています。しかし、カニは海岸へ行くのにどうしても道路を渡らなければなりません。そこで交通事故が発生します。

オカガニ

【オカガニ】

卵を抱えたイワガニ

【卵を抱えたイワガニ】

 

 

カニさんトンネルの設置

 

 カニさんトンネルとは、オカガニが海に行くときに通れるように、横断水路とは別に、カニのために新しく掘ったトンネルで、カニ専用の道です。

 トンネルのある場所は「田嘉里川」の河口近くで、西海岸では珍しいマングローブ林があります。マングローブが生えている場所は、泥がたまったような場所で、穴を掘りやすくて、涼しくて、餌も採りやすい、オカガニにとっていい住処になって ると考えられます。そのせいか、カニの交通事故がよく発生している場所でもあります。

 

カニさんトンネル山側

 

 トンネルの中をのぞくと、海岸に続いているのが解ります。カニがうまくトンネルの入り口を見つけられるように、誘導のためのコンクリートをつけてあったり、普通は海岸に生えている植物を植えたり、下に海岸の砂を敷いたりしています。この植物はアダンという名前の植物です。

カニさんトンネル山側入り口

カニさんトンネルイメージ図

カニさんトンネルイメージ図

【カニさんトンネルイメージ図】

※カニのほかにも、いろんな生き物が海と陸を行き来します。カクレイワガニ、アカテガニ、オカヤドカリ類です。

 

 

トンネル設置箇所の詳細はこちらから

 

 

ロードキル発生率比較グラフ

 平成8年に大宜味村喜如嘉のカニさんトンネルの工事が完了しました。その結果オカガニのロードキル発生率は減少しています。

しかし、カニさんトンネルを造っただけではロードキルはなくなりません。カニさん注意標識の道路標識がある場所では特に走行に注意し減速することも大事なロードキル対策ですので、ご協力をお願いします。

 

 

 

 

オカガニロードキル対策

 

巣穴から海へ

〜横断水路〜

 

 道路は、いくつもの川の上を通っています。大きい川は橋があるので良く解ると思いますが、そのほかにも小さな川がいくつもあります。その水をうまく海へ流すために、道路の下に横断水路を造っています。

 オカガニが海へ降りるときに、道路に出ることなくこの横断水路を通れば、事故にはなりません。道路を渡るときにできるだけこの横断水路を通るように、誘導をしています。

横断水路の入り口

 

 

側溝の断面

道路への進入防止

〜環境保護型側溝〜

 

 側溝の道路側は環境保護型側溝になっているのでオカガニは道路に出ることが出来ません。山側はなだらかな斜面になっているので、山には簡単に帰ることが出来ます。

 そして側溝を通るうちに横断水路の入り口にたどり着きます。こうして、道路を渡ることなく海に出ることが出来るのです。

エコパネル

〜エコパネル〜

 

 これはオカガニが道路に出ないようにするエコパネルです。高さを50cmとしています。

 

 

道路からの脱出

〜防波堤の切り込み〜

 

 防波堤は凹凸が少ないので、オカガニは爪を引っかけることが出来ず、防波堤を上手く上ることが出来ません。誘導パネルにうまく誘導されなかったオカガニが、道路に出た後防波堤を上手く上れずに、いつまでもいつまでもウロウロしている間に交通事故にあってしまう場合があるので、さっさと海へ出られるように防波堤に切り込みがつけられています。

防波堤の切り込み
〜カニ渡りネット〜

 

 同じように防波堤をうまく上がれずに道路でウロウロしないように、防波堤にネットをかけて、カニが防波堤をうまく上れるようにしています。

カニ渡りネット

〜縁石の工夫〜

 

 普通縁石は垂直に立っているのでオカガニは上ることが出来ません。そこで早く道路から出られるように縁石に斜めに切り込みをいれ、オカガニが上りやすいようにしています。

縁石の切り込み

 

 

横断水路海側

海から巣穴へ

〜横断水路海側の工夫〜

 

 オカガニは子供を産み終えたら、防風林やマングローブ林の周辺にある巣穴に帰らなければなりません。横断水路は水を流すためだけのものなので、海側のパイプはつき出ている場合が多いです。そうすると、オカガニはその入り口を見つけることができないし、見つけてもそこに入って行くことができません。

 そこで、その入り口を発見したカニのために、傾斜を緩くしたり、ザラザラにしたり、入り口に上りやすいように工夫しています。

 

 

 

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