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やんばる国道物語

王府時代の道 (15世紀〜1879年)


(8/12)

国頭方西海道 2

名護から今帰仁、羽地・国頭へ(西海岸ルート 2)

 

続く松並木、本部、今帰仁
 

 名護番所からは、本部半島にある今帰仁間切の運天番所に向かう宿道と羽地間切に向かう宿道とに分かれます。まず、今帰仁間切の運天番所に向かう宿道からたどってみます。

   フクギの しげ る名護番所からヒンプンガジュマルの横を け、本部の内陸部・ 伊豆味 いずみ 村を経て、 渡久地 とぐち 港の近くにある本部番所へ向かいます。かつて名護・今帰仁・本部間切の境界点となっていた「ミツドテ(三土堤)」と呼ばれる峠道の十字路があったそうですが、現在はその姿をみることはできません。
  名護番所跡
名護番所跡
 
  名護番所跡は現在名護博物館となっており、その敷地を囲むように生育するフクギ群は推定樹齢300年、県内にこのような巨大なフクギ群は珍しいことから沖縄県指定天然記念物に指定されています。
 
   
   本部番所のあった渡久地から 浜元 はまもと 具志堅 ぐしけん 集落を経て、今帰仁間切へ向かいます。今帰仁間切 親泊 おやどまり 村(現字 今泊 いまどまり )から番所のある字運天までの宿道は、現在の国道505号の通る道筋にほぼ重なります。ごく一部を除いて、宿道の全筋に松並木が続いていました。現在でも今帰仁の 仲原 なかはら 馬場には立派な松並木が残っており、県の文化財に指定されています。
   名護、羽地、本部の三間切の番所からのびる三筋の宿道は勢理客近くで合流して一筋となり、運天の今帰仁番所へ向かっていました。運天番所の近くには運天港(注1)があり、国頭・大宜味・今帰仁・本部間切の薩摩への上納米が運ばれました。
 
今帰仁の仲原馬場
  現在もみごとな松並木が残っている [今帰仁村教育委員会]
   
海越え、山越え
   一方、名護番所から羽地番所(現名護市親川)までは、比較的平らな道のりが続いていました。戦後までこのあたりは羽地ターブックヮ(注2)としてよく知られたところで、良好な水田地帯が広がっていました。羽地内海には 勘手納 かんてな 港があり、久志間切や羽地間切の上納米が集められ、積み出されたといわれています。
   羽地間切から大宜味番所への道は、海岸沿いの道で、潮の干満の状態によって、浜伝いに歩いたり、丘陵を越すことになり、また、村境の白浜から対岸の大宜味番所のある塩屋までは、橋がなく、舟で渡っていました。
   塩屋からは戦前まで海岸沿いに松並木があり、 饒波 ぬは からは干潮の際には浜を歩いたり、川沿いに岩山を越して 喜如嘉 きじょか に入りました。
喜如嘉から内陸部の 謝名城 じゃなぐすく へ向かい、 田嘉里 たかざと を経て 屋嘉比 やかび の川沿いを川下へ進み、国頭の浜に渡りました。当時は屋嘉比川の入り江が深く、船が入り込んでいたといいます。
  大宜味番所から国頭番所(奥間)までの海沿い山越えの道
  大宜味番所から国頭番所(奥間)までの海沿い山越えの道
(『沖縄歴史の道調査報告書』Vより作成)
   
   国頭番所への山越えの坂道には、イノシシよけのために 猪垣 いのがき が多く設置されていました。浜から 半地 はんじ 間は山裾を通り、国頭番所のある奥間より北はより険しい道でした。 辺土名 へんとな から与那までは川沿いに峠を登り、与那よなの 高坂 たかひら を通り、 謝敷 じゃしき の海岸沿いの浜を通り、 宜名真 ぎなま おく へ向かいました。
  大宜味村謝名城から田嘉里に向かう宿道
  現在の大宜味村謝名城から田嘉里に向かう宿道。
村人は「すくみち」と呼んでいます。
   
   
 
用語解説
(注1)運天港
  今帰仁村にある天然の良港。源為朝が渡来したと伝えられている。また1609年の薩摩侵攻時には薩摩軍が第一歩を踏み入れた港である。
(注2)羽地ターブックヮ
  現名護市羽地地区中央部水田地帯の名称。羽地田袋とも書く。1735年に蔡温の河川改修によって整備されました。(「蔡温と公共工事」38頁参照)
   

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