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やんばる国道物語


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やんばるの伝説をたずねて


 (18/23)

サカマタのカニの化け物

(宜野座村)

 

 宜野座ぎのざ潟原かたばるから名護の明治山めいじやまを通り、許田へ行く途中左側に、クダキとヤキダキと呼ばれる谷を通って名護へ行く道がありました。その山道を登り下ったところに大きな谷があり、そこはウフマタ、またはサカマタと呼ばれていました。

 

 昔、このサカマタの谷川にササーを入れに来た父子がいました。ササーとは、イジュの木の皮をむいて石でたたき、にじみ出た液汁のことで、その汁のどくで魚をしびれさせてりょうの名前でもあります。

 

 親子は谷川でササーを入れ、昼はクダキの山でかり小屋を作り、一晩泊まって翌日、魚を捕るのです。

 

 そんな風に漁をしていた日の夜中、クダキの仮小屋の親子の耳に、遠くから小さい声で歌をうたっている女の声が聞こえてきました。「これは不思議だ。こんな山中で、しかも真夜中に」と、親子は思いました。

 

 しかも歌声はだんだん自分たちの仮小屋に近づいてくるではありませんか。二人は怖くなり、ガタガタふるえ出しました。

 

 いよいよ小屋の前まで歌は近づいてきました。恐怖きょうふのあまり二人は逃げることもできません。すると小屋の近くで歌はぴたっと止まりました。と同時に小屋の周囲から小さいカニがたくさん入りこんで、二人の体まではい上がってきました。

 

 「わあっ」と二人は悲鳴をあげました。その途端とたん、不思議なことにカニはいなくなってしまいました。

 

 また、その昔この山中に人家があって、一帯にはイタジイなどの大木が茂っていました。ある日、4,5人で木を切ることになり、おのをもった人以外は斜面に避難ひなんしました。

 

 ところがバリバリっと切り倒された大きな木は、避難していた人たちを直撃ちょくげきし、全員が命を落とすという大事故があったと伝えられています。

潟原より明治山を望む

 


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