沖縄本島東海岸に位置する中頭郡東部地区は、北中城村から西原町にかけて高低差のある東向きの斜面が8km以上にわたって連続しており、地すべり等によって形成された急崖が海岸線とほぼ平行に連続している。これらの斜面周辺には、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつである中城城跡などの文化遺産が存在するとともに、沖縄自動車道や沖縄市と那覇市を結ぶ一般国道329号が縦断し、近年は資産の集積や人口の増加が進んでいる。
当該地域の斜面周辺では、地すべり滑動による地形の変状が多数確認されており、また、大規模地すべりの素因の一つであるクチャと呼ばれる軟質化・土壌化しやすい島尻泥岩が全域にわたって分布するなど、地域全体が地形・地質的に同一の特徴を有していることから、平成18年6月に発生した安里地すべりのような大規模な地すべりが、豪雨や地震等によって、“同時多発的”に発生する危険性が高いと考えられている。
これらの状況を鑑み、中頭東部地区の島尻層群泥岩地すべりに関する調査や地すべり機構解析、安定解析や対策方針等の検討を効果的に実施するためには、専門家からの指導・助言を得る必要があることから「中頭東部地区地すべり対策検討委員会」を設立するものである。
|