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やんばる国道物語

近代沖縄の道(1879年〜1945年)


(1/11)

琉球処分 りゅうきゅうしょぶん と沖縄

沖縄県の 誕生 たんじょう

 

琉球国 りゅうきゅうこく 琉球藩 りゅうきゅうはん 、沖縄県
 

 1868(慶応4、明治元)年、265年間続いた 徳川幕府 とくがわばくふ たお れ、 天皇制 てんのうせい になりました。この 明治維新 めいじいしん によって、琉球王国には、1872(明治5)年、 琉球藩 りゅうきゅうはん が置かれ(注1)ました。さらに1875(明治8)年、処分官・ 松田道之 まつだみちゆき が派遣され、「琉球処分」の要求(注2)をしました。
1879(明治12)年の3月27日、処分官松田は、軍隊と警官を率いて、首里城内で琉球藩を廃し沖縄県を設置することを 布達 ふたつ し、首里城が明け渡され、ここに沖縄県が誕生しました。

 
松田道之(1839−1882)
1875年、琉球処分官として派遣されました。
政府の琉球処分の令達を持って三度来沖し、説得を続けました。
[那覇市文化振興課]
   
旧慣温存政策 きゅうかんおんぞんせいさく
   廃藩置県後の沖縄の 措置 そち について、明治政府は他県と同様の改革を行わず、当面は旧慣温存の方針でスタートさせることにしました。旧慣温存とは急激な変化を け、土地制度・租税制度・地方制度の従来のやり方(旧来の慣習)を尊重するというものでした。とりわけ 家禄 かろく 社寺 しゃじ 山林 さんりん の所有については、努めて旧来の 慣行 かんこう に従うべきとしました。これは士族層の反感を避けるためであり、中国に支援を求める人々( 脱清人 だつしんにん 注3)による日中関係の悪化を恐れたためともいわれています。
初代県令(現在の知事)、 鍋島直彬 なべしまなおよし は旧慣温存の基本方針のもと、日本国への併合を目指しました。
沖縄県庁は那覇市西村の内務省出張所に置かれました。1881(明治14)年6月の改築を経て、以後約40年間その地に置かれました。旧来の間切・番所などの地方行政機関はこれまでどおりでしたが、1880(明治13)年には、 那覇区 なはく 首里区 しゅりく 島尻郡 しまじりぐん 中頭郡 なかがみぐん 国頭郡 くにがみぐん 伊平屋 いへや 久米島 くめじま 宮古 みやこ 八重山 やえやま の九つの行政区域に分け、新たに役所を設置しました。国頭地方役所は、首里警察署、羽地分署にあわせて置かれ、その後82(明治15)年1月、名護の 大兼久 おおかねく 集落に移転しました。
 
初代沖縄県庁の正門。西村の在番奉行所跡に新築された。
[那覇市文化振興課]
   
国道は約355メートル
   廃藩置県の頃の道路の状況は、「国道」が那覇の 埠頭 ふとう より県庁に至るわずか3町15間(約355メートル)で、その修繕は国費で行われました。「県道」は3路線で22里余(約86キロ)で、県道らしい県道は那覇首里間の街道のみでした。その他の道は王府時代のままで、急な坂や狭い道で、川は橋が っておらず、海浜の砂浜を歩いたりする道でした。
県道の修繕には、当時国費支弁で国庫によるとされましたが、実際には旧慣により、小規模の修繕は間切または集落において 夫役 ぶやく 徴収 ちょうしゅう されたといいます。
大きな時代の変わり目にあり、交通機関・道路修繕に関心が薄く、土木費の計上もわずかなものでした。
 
沖縄の国道第1号
(1921年陸地測量部参謀本部発行地図に赤線で国道を記載)
   
   
 
用語解説
(注1)琉球藩設置
 1872(明治5)年、王府が将軍襲職を祝う使者として慶賀使を東京に派遣した際、明治政府より「尚泰を藩王となし、叙して華族に列す」と宣告し、琉球国を廃止、琉球藩を設置しました。
(注2)琉球処分の要求
 その内容は琉球藩は清国と冊封・朝貢関係を廃止し中国との関係を断つこと、若手官吏の派遣や政治制度の日本化、鎮台分営(軍事施設)を設置することなどでした。
(注3)脱清人(だっしんにん)
 琉球処分に反対して、琉球国の維持・存続をかけて清国に脱出した人々。清国政府に琉球救援を請願しました。
   

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