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やんばる国道物語

復帰後の道 (1972年〜2000年)


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5回目の道づくり

与那の道づくりの変遷

 

与那の道の移り変わり
 

 国頭村の 与那 よな は小さな集落ですが、 600年上の歴史があると言われています。山が海に せま り、 耕地 こうち は少ないという典型的なやんばる集落の特徴を持っていて、 与那の道の歴史は、そのままやんばるの道の移り変わりを表すとも言えます。ここでは、与那の道づくり を紹介します。

   
交通の難所・与那の高坂
   「与那の 高坂 たかひら 」(地図上@のルート)は、 「戻る道」、「 座津武 ざつん 」と合わせて、国頭村の三大交通難所に 数えられました。急で けわ しい登り坂が1キロほど続く高坂は、 王府時代の 宿道 しゅくみち の一部で、小学校のある 辺土名 へんとな へ向かうためには、この道を徒歩で行くしかありませんでした。
1917(大正6)年、国頭村道として、海岸斜面の中ほどに、 荷馬車 にばしゃ が通れる広さの道が開通し、「 中道 なかみち 」(地図上Aのルート) と呼ばれました。しかし自動車が通れるほどの広さはありませんでした。
 
   
海岸沿いの県道開通
   1935(昭和10)年になると、海岸沿いを回る「県道」(地図上Bのルート)が開通し ました。道幅は5メートルで、この時点で初めてバスの通行も可能になりました。しかし、海岸沿いを通る道のため、天候が れると高波が襲い、冬場には10メートルの波が おそ う 地点が数か所もあったのです。
事実、戦後にはトラックが波に押しつぶされ、運転手が死亡する事故も起きたとい います。辺土名小学校に通学する子供たちは、波のかかる 合間 あいま 見計 みはから い、道を けて通学していました。 このように日々の通行にもかなりの危険が とも うため、とても近代の交通を ささ える道とはいかなかったようです。
 
  与那トンネル北側。波がはげしくかぶっている。
   
与那トンネルの開通
   1973(昭和48)年、ついに「与那トンネル」(地図上Cのルート)(1972年完成、159メートル)が開通しました。これまでのように通行する人が危険にさらされることはほとんどなくなり、生活道路、産業道路として利用されるようになりました。しかしながら、トンネル北側はまだ 波浪 はろう が激しく、山側のがけが崩れる危険性もあって、通行規制区間として指定されていました。地域の生活基盤を支える国道としては、まだ不安の残る部分があったといえます。
 
  新与那トンネルの南側の入り口
 


最新技術を 駆使 くし した「新与那トンネル」
   こうした問題を解消するため、1991(平成3年)、「新与那トンネル」(地図上Dのルート)の工事が始まりました。それまでのルートよりも山側を通るよう計画されたのは、波による危険を減らすためでした。トンネルは3年がかりの工事となり、1994(平成6)年に完成しました。延長はそれまでの159メートルから559メートル(幅員6.5メートル)と格段に伸びています。トンネル内は、カウンタービーム方式の照明(注1)が新しく設置されて、より安全な車の走行ができるようになっています。
このように与那から南下する道は、5度の道づくりを て現在の姿となったのです。自然環境に挑みながら、人々の交通の安全を確保する試みの積み重ねと言えるでしょう。
 
  新与那トンネルのカウンタービーム方式の照明
   
   
 
用語解説

(注1)カウンタービーム方式の照明

フランスの国立トンネル研究所とスイスの照明技術者が共同開発したもので、スイス、フランス、イタリアなどで実際に使われているものです。トンネル内を走る自動車の進行方向に対して、わずかに逆の角度を持たせて照明し、障害物に影を作ってドライバーに発見させやすくするものです。少ない光量で効率的に安全を確保できる、つまり「眩しくなく、危険物を見つけやすい」ということなのです。

   

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