海岸沿いを通っている国道58号国頭村、大宜味村区間の沿道にはオカガニやイワガニなどのカニが多く生息しています。これらカニは普段は内陸で生息していますが、毎年6月〜10月の満月の夜の前後4日間程には、放卵のため、海岸波打ち際まで移動しなければならず、道路を横断する必要があり、その際に、多数のカニが車に轢かれるロードキルが発生している状況となっています。
北部国道事務所では、これまでにカニの道路の横断を減らす「カニさんトンネル」の整備や、道路利用者に注意を促す「警戒標識」などの様々なエコロード(ロードキル)対策を実施してきました。これら対策により、カニのロードキルは約10%の減少と一定の効果は発したものの、依然としてロードキルが発生している状況が続き、十分な対策ができているとは言えない状況でした。
そこで、昨年度に、当事務所が実施した調査により判明したロードキル重点地点において、カニのロードキルを防ぐことを目的に、カニが道路をわたる前に一旦捕獲し、安全な海もしくは山側へ放す活動『カニさんお助け隊』を結成し、地域住民の皆様と連携・協働して、カニの命を守ってきました。その結果、助けたカニの総数は333匹、ロードキル数はH17の103匹に対し、H18は54匹に減少(前年比48%減少)し、非常に大きな効果を確認できました。また、各方面から活動に対する評価を得ることができ、地域にとって非常に関心の高い取り組みとなりました。今年度も、カニの繁殖シーズンが近づいてきましたので、昨年度に引き続き、地域住民の皆様と連携・協働した活動を開始し、カニの命を守っていきます。
つきましては、『カニさんお助け隊』出動前に大宜味村農村環境改善センター駐車場にて、下記のとおり、『カニさんお助け隊』出初式を開催しますので、お知らせします。 |