沖縄総合事務局北部国道事務所が建設を進めている、国道58号名護東道路トンネル湧水にて検出されたと報じられたヒ素に関し、検出地点、検出量及びその要因等の調査・分析結果がまとまりましたので発表いたします。
調査箇所及び結果の概要は下表のとおりで、全17箇所の調査の結果、ヒ素はトンネル湧水及びその関連河川地点のみに含まれていることが解りました。
検出量については、1号トンネル湧水(幸地川)に関わる値が0.002〜0.006mg/lと排水基準値(*1)及び環境基準値(*2)を共に下回っています。2号トンネル湧水(世冨慶川)に関わる値は0.004〜0.018mg/lと排水基準値を下回っています。環境基準値については、環境基準値0.01mg/lに対してトンネル放流口で0.018mg/l、世冨慶川合流付近で0.012mg/lと上回っておりますが、世冨慶川下流付近では0.004mg/lと下回っており、また今後、トンネル放流水については低減対策をとることとしています。
なお、幸地川放流地点の下流河川沿いの民家井戸においてヒ素は検出されませんでした。
*1排水基準:水質汚濁防止法における有害物質に関わる排水基準(ヒ素:0.1mg/l以下) *2環境基準:環境基本法における人の健康の保護に関する環境基準(ヒ素:0.01mg/l以下)
ヒ素の溶出原因については、ヒ素がトンネル湧水関連のみで検出され、他の河川水からは検出されていないこと、周辺には人為的汚染源が存在しないことから、検出されたヒ素は自然由来と考えています。ヒ素が検出された要因として、地下水に溶けている酸素が少ない還元状態のときに、鉱物中に含まれる鉄が地下水へ溶け出し、同時に鉄に吸着しているヒ素も溶け出す場合、地下水が弱アルカリ性の環境になったとき、鉱物中の鉄に吸着しているヒ素が直接溶け出す場合の二つのタイプが知られていますが、現段階では特定まではできておらず、現在その解明に向けて調査を継続しているところです。なお、自然由来と考えていることから、トンネル掘削ズリの土捨場についても現地湧水の水質分析を行いましたが、ヒ素は検出されませんでした。
今後は、本調査結果をもとに、名護市当局の協力も得ながら、専門家による説明も含めた説明会を早期に実施することにより、地域住民の理解を得ることや不安解消に努めることとしています。また、流出するヒ素の低減対策を実施するとともに、定期調査等水質監視を継続し、結果についてはホームページで公表していきます。なお、説明会は下記のとおりを日程で行うこととしています。
○報道機関説明:平成22年12月17日(金)14:00〜15:00
沖縄総合事務局 北部国道事務所 2F大会議室
○地元説明会:平成22年12月22日(水)19:00〜
東江地区会館(名護市東江)