|
|
沖縄島の哺乳類
琉球列島に生息する哺乳類は、1984年の段階で移入種を含め23種とされていた。しかしながら、その後ヤマコウモリの発見や、1994年の沖縄島中部でのアブラコウモリ(イエコウモリ)の生息確認、また1997年には沖縄島北部の国頭山地で、新種の2種の小型コウモリが発見された。したがって、琉球列島には総計27種の哺乳類が生息していることになる。その中で琉球列島だけに生息する固有種や固有亜種は、ケナガネズミ、オキナワトゲネズミ、イリオモテヤマネコなど合計15種となっており、動物地理学上貴重な種類が多い。
これらの哺乳類の中で沖縄県自然保護課編(1996)の「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物」で選定された種は未決定種も含め20種である。その中で沖縄島に生息している種は、ケナガネズミ、オキナワトゲネズミ、ワタセジネズミ、オキナワコキクガシラコウモリなど16種である。その16種の中から主な種についてその生息状況を見てみると、オキナワオオコウモリの1種が、「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物」(沖縄県自然保護課
1996)の中では「絶滅種」とされている。
同様に沖縄島の固有種であるケナガネズミと固有亜種のオキナワトゲネズミの2種は「絶滅危惧種」として選定されている貴重種であるが、この2種の生息地域は沖縄島北部の森林地域に局在しており、その個体数も不明で絶滅の危機に瀕していると言える。また、固有亜種のオキナワコキクガシラコウモリ、リュウキュウユビナガコウモリの2種は「危急種」、ワタセジネズミとオキナワハツカネズミの2種は「希少種」として選定されている。したがって、これらの種もなんらかの保護策を講じなければ「絶滅危惧種」に移行する可能性があり、生息地の保全など具体的な保護策が求められなければならないだろう。
その他には環境庁編(1991)の「日本に絶滅のおそれのある野生生物」の中で「希少種」とされているオリイオオコウモリや、ジャコウネズミ、イエコウモリ、リュウキュウイノシシなどは「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物」の中では「未決定種」として登載されている。しかしながら、これらの動物も哺乳類相の貧弱な沖縄諸島にあって、貴重な動物であるものと思われる。特にオオコウモリとイノシシの2種は、農作物への被害等で駆除される対象となる場合があるが、駆除効果で地域個体群が絶滅しないような適正な「個体群管理」を行っていく必要性があろう。 |
|