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やんばる国道物語

王府時代の道 (15世紀〜1879年)


(4/12)

王府時代の行政と間切

古琉球から近世琉球へ

 

王府の管理体制の変化
 

 第二尚氏王統(注1)第三代の王・ 尚真 ( しょうしん ) は 官僚制 ( かんりょうせい ) の整備に力をいれました。1526年、各地の 按司 ( あじ ) を地域から首里城下に移住させ、各支配地域には按司の代理として、 按司掟 ( あじうっち ) といわれる役人を 派遣 ( はけん ) しました。

   1609年には 薩摩 ( さつま ) (現 鹿児島県 ( かごしまけん ) )が琉球に攻め入り(注2)、琉球は薩摩の支配下に置かれ、米や砂糖などを納めなければなりませんでした。
薩摩侵攻は王国の政治、社会に大きな変化をもたらし、以後時代的には 古琉球 ( こりゅうきゅう ) から 近世琉球 ( きんせいりゅうきゅう ) へと変わっていくことになります。
   この時代になると、王府や薩摩の役人は、宿道を通って各地をまわり、番所を宿泊や休息所として利用しました。
   17世紀には、 摂政 ( せっせい ) の 羽地朝秀 ( はねじちょうしゅう ) (注3)によって、間切(現在の市町村)の再編成が行われ、間切数が増加しました。それに伴ともない番所の移動や新設が行われ、宿道のルートも大きく変わりました。また一八世紀前半の 蔡温 ( さいおん ) の時代には、さらに間切の中の 村 ( むら ) (現在の字)が新設されましたが、間切は、ほぼ明治時代まで変動はありませんでした。
 
明治時代の恩納番所跡の恩納役所
[『写真集やんばる100年』]
   
新設間切と番所
   間切は現在の市町村の区画とほぼ一致しています。間切は、いくつかの村が集まってできています。新しい間切はもともとあった間切から分割してつくられました
   この時代に新しくできた間切を見てみると、1666年に、 今帰仁 ( なきじん ) 間切(現今帰仁村)から 伊野波 ( いのは ) 間切を新設、翌年 本部 ( もとぶ ) 間切(現本部町)に改名されました。本部番所は 渡久地港 ( とぐちこう ) に近い渡久地に置かれました。
   1673年に、 読谷山 ( ゆんたんざ ) 間切(現読谷村)と 金武 ( きん ) 間切(現金武町・宜野座村)の一部を分割して、 恩納 ( おんな ) 間切(現恩納村)が新設されました。
同年、 名護 ( なご ) 間切(現名護市)の東部と 金武 ( きん ) 間切を分割して、 久志 ( くし ) 間切(現名護市)が新設されました。
   久志番所は当初、久志村に置かれましたが、1688年、東海岸から西海岸へと結ぶ道が開かれ、 瀬嵩 ( せだけ ) 村に移されました。羽地間切(現名護市)の番所は 勘手納 ( かんてな ) 港に近い親川村、名護間切(現名護市)の番所は 東江 ( あがりえ ) 村に置かれました。
   1673年には、 国頭 ( くにがみ ) 間切(現国頭村)と羽地間切を分割して、 田港 ( たみな ) と間切を新設、後に 大宜味 ( おおぎみ ) 間切(現大宜味村)と改名されました。番所は田港村から塩屋村に移されました。国頭間切の番所は 浜 ( はま ) 村から 奥間 ( おくま ) 村に移されました。
   やんばるは山地が多く、陸路より海路が発達していたため、港の近くに番所が置かれました。
  やんばる市町村変遷図
  やんばる市町村変遷図
   
  沖縄本島の間切と方
  沖縄本島の間切と方
   
   
 
用語解説
(注1)第二尚氏王統
  琉球を統一した尚巴志の王統を第一尚氏王統といい、7代目尚徳王の時代に金丸が王位をつぎ、尚円と名乗りました。これを第二尚氏王統といい、最後の王尚泰まで19代409年続きました。
(注2)薩摩侵攻
  1609年、約3千人の薩摩軍が琉球に侵攻し、兵力をもたない琉球はあっけなく降伏し、以後、薩摩支配下におかれ、検地が行われ、琉球王国は8万9千石余が課せられました。
(注3)羽地朝秀(はねじ・ちょうしゅう)
  1617〜1675。1666年摂政に就任すると、国家再建のため倹約や開墾の奨励などの諸改革を断行しました。史書『中山世鑑』の編者としても知られ、布達した法令集は「羽地仕置」としてまとめられています。
   

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