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やんばる国道物語

復帰後の道 (1972年〜2000年)


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ひらけゆくやんばる路

難工事を成功させた宜名真トンネル

 

道づくりに 不可欠 ふかけつ なトンネル工事
 

 深い山々が つら なるやんばる地域では、今では数多くの大 規模 きぼ なトンネルが開通して、人々の通行は、昔と比くらべると 飛躍的 ひやくてき てに便利で快適になりました。
やんばるのトンネルの特徴は、その長さです。県内にあるトンネルの長さを比較してみると、上位10か所のうち7か所までがやんばる地域のトンネルです。
  深い山を長く き、安全に通れる道を造るためには、最先端の技術が欠かせません。「復帰後最大の難工事」と呼ばれた、 宜名真 ぎなま トンネルの場合をみてみましょう。

  トンネル延長ベストテン
   
宜名真の難工事
   1978(昭和53)年に着工された宜名真トンネルは、復帰後の58号改良のハイライトと位置づけられました。復帰10周年を迎える1982(昭和57)年にはやんばる一周道路を完成させる目的もあり、そのためには交通の難所、宜名真の「戻る道」を改良しなければいけなかったのです。
宜名真から辺戸上原に向かう道は、昔から難所として知られ「戻る道」と呼ばれていました。1913年に小学校校長の 当山正堅 とうやませいけん が新たに道を開いたことで、人や車が楽に往来できるようになりましたが、バスや車が通るには 依然 いぜん として狭く、通行には危険を ともな っていました。このような現状を解消するため、宜名真から 茅打 かやう ちバンタの下を約1キロ以上に渡ってくりぬき、県下最長の道路トンネルを通すことになったのです。
 
    工事は、南北から同時に掘り進む方式で始まりました。ところが、北側・辺戸方面からは、 岩盤 がんばん かた くなかなか掘り進むことができませんでした。一方、南側は地盤が弱く崩れやすいため、工事は何度も中断せざるを得ませんでした。さらに、 やわ らかく 粘着力 ねんちゃくりょく のない土質が わざわ いし、掘り進むにつれ 坑道 こうどう 内の壁や地面がふくらむ現象が起こり、ひどいところでは、足下の地面が80センチも浮いてくるほどでした。
一方、工事の最中、住民はさらなる苦難を強いられていました。宜名真トンネルが完成する前年の7月、それまで通っていた「戻る道」が崖崩れを起こしたのです。以降、「戻る道」を通る車両は重量制限が行われ、住民の足である路線バスも通行できなくなり、乗り換えを余儀なくされました。
製糖期になると、トンネル北側の一帯に広がるサトウキビ畑からの搬出は、東海岸側の 伊江 いえ 楚洲 そす を経て 与那 よな 横断道路から西海岸側に再び抜け出なければならなくなりました。
   
  @が戻る道Aが宜名真トンネル[ボーダーインク]
   
最新の「ロックボルト工法」
   こうした難工事でしたが、当時の最新の工法である「ロックボルト工法」(注1)を 導入 どうにゅう することにより、問題だった地盤 膨張 ぼうちょう は押さえられ、工事は急ピッチで進みました。
  そして1987(昭和57)年、宜名真トンネル(1045メートル)は、3年がかりで貫通しました。掘削で生じた土は約8万5000立方メートルに及び、コンクリートは約2万2000立方メートルも使われました。
  トンネルの開通により、住民の生活は大きく改善されました。それまで大回りするしかなかったサトウキビ 搬出 はんしゅつ の時間は、1時間も 短縮 たんしゅく されました。歩くのさえ困難だった「戻る道」に代わり、トンネル内には1.5メートルの歩道が完成して、歩行者も安全に通れるようになりました。
宜名真トンネルは、1986(昭和61)年に 於茂登 おもと トンネルが開通するまで県内一長いトンネルとして、茅打ちバンタと並ぶ国頭の名所となり、「観光資源」としての役割も果たすことになったのです。
  開通した宜名真トンネル
  開通した宜名真トンネル[ボーダーインク]
   

 


 

用語解説
(注1)ロックボルト工法
坑内の壁や天井、地面に鉄筋をいくつも打ち込み固め、その上を厚さ60cmのコンクリートで覆っていくという、当時最新の工法です。

 

 

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