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やんばる国道物語

復帰後の道 (1972年〜2000年)


(2/9)

消えた名護七曲り

社会資本整備としての海洋博工事

 

「海洋博」の開催
 

 1975(昭和50)年7月から半年間、沖縄本島北部の本部町で、「海〜その望ましい未来〜」をメイン・テーマに、沖縄国際海洋博覧会(海洋博)(注1)が 開催 かいさい されました。
  沖縄の本土復帰記念事業でもある海洋博の開催は、国内はもとより国際的な注目を集めて、多くの観光客が沖縄を訪れました。当時の沖縄は交通施設の水準がまだ低く、中でもやんばるはさらに整備が遅れていた地域だったので、海洋博会場とのアクセスを便利にする 交通網 こうつうもう の整備が必要でした。
  本部町で海洋博が開催されたことは、沖縄本島全体の社会資本整備を進めるきっかけにもなりました。
海洋博関連事業のうち道路関係の事業は、主だったものだけでも、◆石川から名護に至る 縦貫 じゅうかん 道路(現在の沖縄自動車道の石川以北)◆名護から海洋博会場に至る本部半島 縦断 じゅうだん 線の整備◆国道58号那覇〜 嘉手納 かでな 間の6車線拡幅◆嘉手納〜 仲泊 なかどまり 間の四車線 拡幅 かくふく ◆仲泊〜許田間の改良◆許田〜名護間の四車線拡幅、などがあります。現在これらの道路は、今日の交通量を支える主要な道路となっています。
工事は1973(昭和48)年から急ピッチで行われ、海洋博開催までに 大方 おおかた が完了しました。道路が整備されたことで、海洋博会場の工事資材をはじめ、会期中には350万人(1日当たり一万9000人)に上る入場者を、無事輸送することができたのです。

 
  海洋博を代表するパビリオン.アクアポリス
[『沖縄国際海洋博覧会公式記録』]
 

 

改修された名護七曲り
   こうした海洋博関連事業の道路整備によて、沿線の 景観 けいかん は一変しました。その代表が、「名護の七曲り」の改修でした。
  「七曲り」は 許田 きょだ から 東江 あがりえ までの約8キロの道のりを指しています。「七曲り」と呼ばれてはいましたが、実際は大きなカーブだけで7つ。大小含めると49曲り、数え方によると約50曲りとも言われるほど、たいへん蛇行した道で、「ひんぷんがじまる」と並んで、名護の代名詞とも言える景観でした。しかしながらカーブの連続するこの道は絶えず危険が伴い、改修の必要性が叫ばれていました。
  海洋博関連工事として世富慶〜許田間の「七曲り」の改築事業が始まったのは、昭和49年度のことです。もともと七曲りの区間は約6キロでしたが、急なカーブを減らすために道路を海側へ張り出す工事をほどこして完成した道路は、長さ4.4キロのなめらかなルートとなりました。新しい道の開通後には、消えゆく名所の景観を しむ声がある半面、スピードアップを喜ぶ声も聞かれました。
現在、中央分離帯の大きなソテツ群が、海沿いの道路で見事な なが めをつくり出しています。このソテツが初めて植えられたのは、工事終了間近の1975(昭和50)年6月のことでした。
  当時の名護市長の要望により植えられたソテツは、703本のうち、6割が徳之島産、残りが国頭村の産です。「七曲り」は失われましたが、新たな 勇壮 ゆうそう な眺めがドライバーの目を楽しませているのです。
 
  改修前の名護の七曲がり、進行方向、カーブ先がまったく見えず、 車の走行には危険が伴っていました
   
 
  改修後の名護の七曲がり
   
   
 
用語解説
(1)海洋博

1975(昭和50)年7月20日から6か月間、沖縄本島北部の本部半島で開催された沖縄国際海洋博覧会のことです。海を含め100万平方メートルの会場に、船、魚、科学技術、民俗と歴史の各施設がもうけられ、36か国、三国際機関ほか、政府、県、民間グループが出展しました。期間中の入場者数は県内外から350万人に上りました。終了後も、アクアポリスや沖縄館やエキスポランドなど一部施設は残され、亜熱帯植物を植栽した記念公園として県民や観光客に広く親しまれています。アクアポリスは2000年、米国企業に売却され、中国の上海にて解体、鉄くずとして再利用されましたが、2002年11月には新たな名所として、世界最大級の水族館「美ら海水族館」がオープンし、連日多くの人が訪れています

   

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