福地ダム
福地ダムは、沖縄北部河川総合開発事業の一環として、洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水及び工業用水の供給を目的に、福地川(流域面積34.4km²、流路延長16.7km)の河口から約2km上流地点に建設した高さ91.7mのロックフィルダムです。
福地ダムは、新川ダム、安波ダム、普久川ダム及び辺野喜ダムの東系列5ダムを構成する多目的ダムです。福地ダム建設工事は、米国陸軍工兵隊により昭和44年7月に着手されましたが、昭和47年5月の本土復帰に伴い、日本政府に承継され、昭和47年12月に堤体盛立を完了しました。
その後、基礎岩盤の改良、洪水吐きの増設等の追加工事を施工し、昭和49年12月に完成、管理を開始しました。
さらに昭和53年度より、沖縄の水需要の増加を予想して再開発工事が行われています。ダム天端を20cm嵩上げし、上下流洪水吐きや取水設備の改良を行い、満水位を2.4m引き上げました。この再開発事業は、平成3年10月に完了しました。
本ダムは堤高、総貯水容量共に県内最大のダムで、ドラムゲート式の下流洪水吐やサイフォン式の上流洪水吐、ダム管理用水力発電など、特徴的な施設をもつロックフィルムダムです。
ダム諸元等
- 項目
- 内容
- 正式名称
- 福地ダム(ふくじだむ)
- 所在地
- 沖縄県国頭郡東村字川田中上原
- 河川
- 福地川水系福地川
- 目的
- 【F】洪水調節 【N】流水の正常な機能の維持 【W】水道用水 【I】工業用水
- 型式
- ロックフィルダム
- 堤高
- 91.7m
- 堤頂長
- 260m
- 堤体積
- 1,622,400m³
- 集水面積
- 32.0km²
- 貯水池面積
- 2.54km²
- 総貯水容量
- 55,000,000m³
- 有効貯水容量
- 52,000,000m³
- 着手/竣工
- S47.5/H3.10
- 管理
- 福地ダム管理支所
- ダム湖名
- 福上湖(ふくがみこ)
ダム標準断面図
ダムのみどころ
-
福地ダム上流洪水吐及び大泊橋
福地ダムの構造で特に珍しいのは、地形的特徴から直接海に放流が行えるということです。大雨が降り貯水池がいっぱいになると、下流の洪水吐から越琉を始め、さらに雨が続き水位が上がってくると、上流洪水吐からダムの水を直接海へ放流することができます。
-
上流洪水吐(サイフォン式洪水吐)
上流洪水吐きは福地ダム管理支所から10kmほど離れているため遠隔操作による確実なゲート操作が望まれました。そこで、洪水時に操作・管理を必要とせず日常の維持管理がほとんど不要なサイフォン式の洪水吐きを採用しました。
-
福地ダム日米承継記念碑
福地ダムは、もともと琉球列島米国民政府が計画し、昭和44年に米国陸軍工兵隊によって着工されましたが、昭和47年の沖縄の祖国復帰に伴い工事途中で日本政府へ承継されて工事を継続、昭和49年に完成しました。この経緯を刻んだ福地ダム日米承継記念碑が建てられています。
フォトギャラリー
交通アクセス
-
路線バス
那覇空港から (111) (117) 乗車 → 名護バスターミナル下車(約1時間半) 名護バスターミナルから(67)に乗車 → 白浜入口《大宜味村》下車(約35分) → 東村コミュニティバス(高江・大宜味線)乗車 → 東村役場下車(約25分) → 徒歩約40分(2.7km)
車
那覇空港から98km(高速道路利用)