ダムの管理
「ダム管理」とは、ダムが果たすべき役割を達成するために行う一連の行為のことを言います。 例えば、貯水池の巡視点検やダム施設がいつでも機能できる状態に保つ保守点検などを行う日常のダム管理だけでなく、大雨や地震時には、下流地域への警報や諸施設の安全点検を行うなどの管理も務めています。 また、ダム管理が適正に行われるための各種調査も含めてダム管理と言います。
日常のダム管理
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ダムを管理する人は、ダム施設の安全性を確保し、貯水池の適正な運用を図るために、ダム現場において保守点検などの日常的な管理に務めています。
・貯水池の巡視点検
・ダム堤体の変位観測
・ゲート操作などによる貯水池の運用
・水位、水質等のデータ観測
・その他管理状況のとりまとめなど
大雨や地震時のダム管理
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大雨や地震時には、安全を確保するために、下流地域への警報や関係機関への通知、ダム諸施設の安全点検など、緊急時に備えた24時間体制の管理に務めています。
・下流地域への放流、警報
・ゲート設備などの施設の安全点検
大雨や梅雨時など、雨が多く降った日には・・・
大雨により、ダムに貯められた水があふれ、ダムを越えて川に流れると、川の水位が急に上がって危険になります。そこで、そんな時には、警報車(パトロールカー)や警報所がサイレンを鳴らして、ダムの下流のみなさんに知らせます。
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1.流入量の予測
雨量計で雨量を知り、ダムに貯まる水の量を計算します。
2.放流量の予測
下流に流れ出る水の量を計算します。
3.機器の点検
機器が正常に働くか点検します。
4.越流開始の推定
越流(ダムの水があふれる)の予定時刻を計算します。
5.関係機関への通知
警察、村役場、県企業局などに連絡します。
6.放流警報
サイレン、スピーカー、警報車などで知らせます。
ダム管理が適正に行われるための各種調査
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洪水の調節・利水の補給
ダムが果した役割を確認するために貯水池に流れ込んだ水の量やダムが放流した水の量などの調査をしています。
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堆砂の状況の把握
貯水池容量の確保状況を把握するために、貯水池内に堆積した土砂の量を調査しています。
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水質状況の把握
水道用水などの水源や生物の生育生息環境を良くするために、貯水池等の水質を調査しています。
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ダム堤体の安全管理・ダム周辺の巡視点検
ダム堤体の安全管理や貯水池・下流の巡視点検を実施しています。
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生物の生育・生息状況の把握
自然環境の保全が図られていることを確認するために、貯水池やその周辺における植物、鳥類、昆虫等の生育生息状況を把握しています。
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ダムの地域へ及ぼす影響の把握
ダムが周辺地域へ与える影響を把握するため、水源地の利活用(ダムまつりや総合学習支援など)について調査・実施しています。